【きものエトセトラ】礼装きもの編

10月に入り、単衣のきものから袷(あわせ)のきものへと衣替えの季節となりました。

これからお子様の七五三をはじめ、結婚式やお茶会など、年末へ向けてお祝いの席やパーティーなど出席する機会が多くなりますね。ここでは、正式な席に出席するための礼装用の着物についてご説明します。

ライフスタイルに合わせたきもの揃えのひとつ

「正式なお席に出る」礼装用の着物についてのエトセトラです。

黒留袖

黒留袖は結婚式や披露宴に出席する新郎・新婦の母親、仲人夫人、親族の既婚女性が着用します。

“黒留袖”の名の通り、地色は黒。裾にのみ絵柄が入ります。 背中心・両胸・両外袖の5か所に染抜(そめぬき)の紋(5ッ紋といいます)が入る、格調高いミセスの第一礼装のきものです。

黒留袖に合わせる帯

黒留袖に合わせる帯は、金・銀・白のいずれかの色糸を用いて格調高い文様を織った袋帯を合わせます。

帯〆・帯揚は白で金銀が入っているものを使用します。

着ていく場所

結婚式

色留袖

色留袖は、一言で言うなれば“黒留袖の色バージョン”です。黒留袖と同じく裾にのみ絵柄があります。

5ッ紋にすると黒留袖と同格になりますが、この場合着用する場が限られるため、現在は5ッ紋にすることはあまりありません。 3ッ紋・1ッ紋にすることによって準礼装となり、着ていく場が広がります。

色留袖に合わせる帯

紋の数や文様との調和を考えて、金糸・銀糸づかいの袋帯を合わせます。

帯〆・帯揚は白で金・銀が入っているものを使用します。

着ていく場所

5ッ紋:叙勲式

3ッ紋:園遊会

1ッ紋:結婚式・お茶会

訪問着

訪問着は、色留袖の次にフォーマルでおしゃれな要素をもった準礼装のきものです。

柄は古典模様をはじめ抽象的な現代柄まで多種多様です。

染色作家の個性を生かして描かれた訪問着も今は多く見られます。

訪問着に合わせる帯

金銀を用いた古典柄、唐織などの袋帯を合わせます。

帯〆・帯揚は色ものを使用します。

着ていく場所

お茶会、結婚式、入学(入園)・卒業(卒園)式、結納、かしこまった場への訪問など

  1. 黒留袖・色留袖に合わせる帯じめと帯あげ
  1. 訪問着は胸や袖にも絵柄が入ります
  1. 古典柄と対照的なモダンな訪問着と袋帯。

今回は3種類の代表的な礼装きものをわかりやすく取り上げてみましたが、いかがでしたか?

礼装には上記の3つが基本ですが、松屋では今回ご紹介したきもののほかに、

“帯の合わせ方によってかしこまった場にも着られ、カジュアルきものとしても着られる”無地感覚のオリジナルきものをご提案しています。

松屋オリジナル小紋  “むじな菊”

やさしく深みのある地色に菊の模様がとても美しい型染め小紋のきもの。

線の細いデザインが一見無地のように控えめですが、帯の合わせ方でかしこまった場にも着ていくことのできるエレガントな礼装に変身します。

豪華になりすぎず、でも決してくだけすぎない品のあるきもの。一枚あるととても重宝する、松屋オリジナルのきものです。

※右の写真は濃紫です。

むじな菊小紋きもの

表地価格:¥ 135,000(税込)

お仕立て上り価格(袷せ):¥191,160(税込)

カラー展開は全9色です。

●濃グレー

●濃茶

●濃紫

●オレンジベージュ

●イエローベージュ

●クリーム

●淡紫

●淡ピンク

●淡グリーン

※左の写真は淡ピンクです。

  1. 紫のむじな菊にオフホワイト地の博多帯。
  1. 淡ピンク地にはフォーマルらしい色合いの唐織の袋帯をコーディネート。優しい雰囲気になりました。
  1. むじな菊は繊細なラインを大胆にあしらったとても美しいデザイン。
  1. 左から、濃茶・クリーム・淡紫・オレンジベージュ。